
目次
※はじめに必ずお読みください※
この記事は、自然流産当日の様子について書いています。
(手術についての記載はございません。)
また、流産当日の生々しい出血等の描写があります。
苦手な方は、どうか閲覧はご遠慮くださいませ。
そして何より、「流産」という言葉に心が深く傷ついてしまう方。
そんな方は、きっとまだこの記事を読むのはつらいと思います。
だから、そんな方はどうか今は無理して目を通さず、
「やっぱり知りたい」と思ってから改めてお越しください。
私は流産かもしれないといわれたとき、
次の検診まで待つ間、そして確定したときも、
「流産」という言葉だけですごく怖くて、
その言葉を思い浮かべるだけで涙が出ました。
この記事は流産についての体験談です。
オブラートに包むように編集することも考えましたが、
私が流産前、
これから流産を控えて不安だったときに知りたかったのは、
流産当日の具体的な流れや痛みでした。
なので、私のリアルな経験談が、
自然流産を控えるあなたの
「何が起こるのかわからない」
という不安な気持ちを、
ほんの少しでも和らげることができるように、
この記事では当日残したメモ通り、
リアルな描写をそのまま使っています。
対応などについては
お一人お一人で状況や症状も違うので、
必ずかかりつけのお医者さんの指示を
仰いでくださいね。
この記事が、流産を不安に思う
あなたの心に届きますように。
そしてもしも
これを読んでくださったあなたが、
まだ流産かどうかわからない状況なら。
どうか、どうか
あなたのお腹の赤ちゃんが
無事に元気に育っていますように。
次の検診で
どうか心拍が確認できますように。
10人に1人という流産の確率のうち、
1人は私が引き受けました。
だからどうか、
あなたの赤ちゃんは無事に元気に育ちますように。
切に願い、記事にします。
【<流産当日>11週1日 朝~昼過ぎは元気だった】
重い感じは残るがまた腹痛はひく。
出血はキープ。
昨夜から腹痛と出血が増えてきていため、
在宅ワークもお休みし、
お昼過ぎまでブログの更新と、確定申告の準備。
下腹部がひきつる感じや、
鈍い生理痛が断続的に続く。
確定申告の準備に集中していたので気が紛れていたからか、
なんとなく痛みはあるものの15:00頃まではパソコンに集中。
15分おきくらいに痛みがある気がしてくる。
【15:30 急に痛みが強くなる】
確定申告の作業が一段落してカフェインレスコーヒーでも飲もうとしたとき、
急に痛みが増してくる。
5分おきくらいに痛みの波が来る。
【<流産当日>16:00 急速に痛みが強まる。ついに流産】
さらに痛みが増してきたのでトイレにいくと、
何かがドゥルンと出た感触。
痛みもみるみる強まり、
生理二日目の生理痛の3倍くらいの痛み。
これは陣痛っぽいと直感。
ただ、出産時の陣痛よりは比べ物にならないほど楽。
ひとまずスマホを脱衣場に持ってきて
(何かあったときの連絡用。
心臓がバクバクしていたけれど、このあたりだいぶ冷静)
そのままお風呂にいき、
血が滴るのでシャワーで流し続ける。
【お風呂に移動して3分経過】
またドゥルンと出てくる。
手で触ると、あまり手応えはなくプルプル。
すぐに形がくずれ、レバーっぽい。
「たぶん赤ちゃんではないな」と思い、そのまま流す。
夫と実母に、脱衣場に持ってきていたスマホで連絡。
(片手はシャワー)
「急に痛みが強くなった。始まったかも」と告げる。
5分くらい塊が出る感覚がなかったので、
少し出血が少なくなったタイミングで急いでタオルで身体をふき、
一回お風呂から脱出。
血で汚れたタオルを手洗いし、
ショーツタイプのナプキンに履き替え、
最初にトイレに行ったときに出た塊を救出。
弾力はある気がするが、
濃い赤黒いプヨプヨしたレバーのような塊だった。
たぶんこれも赤ちゃんではなさそう。
でもよくわからないので一応保存。
なんとなく、痛みが少し楽になってきた気がする。
このプチ陣痛のような痛みレベルでは
市販の痛み止めでは効かないかもと思いつつ、
いつでも飲めるように机に置いていた
生理痛薬(バファリンルナ)を飲み、
夫にラインでナプキンの追加を頼む。
(この辺りもやっぱり冷静)
この間も血がどんどん出ている感覚。
「ショーツ型のナプキンの安心感は最強だな」
なんて呑気なことを考える余裕もあった。
時々痛みで手を止めつつ、ラインの文章を打つ。
【<流産当日>16:50 胎嚢の排出】
夫にラインを送ろうとしている途中で、
たっぷりと
何かがドゥルドゥルドゥルンと出る。
夫へのラインを送り終えてからすぐにトイレに駆け込み、
ナプキンに出たものを確認。
明らかにさっきまでの血の塊とは形も大きさも弾力も違う。
「これだ」と思った。
思っていた白色のものではなかった。
赤みの強い、でもレバーの赤黒さとは違う、
やや灰色がかった赤黒い色だった。
大きさは縦長で、長さ10センチ、幅5センチ位。
多分、赤ちゃん自体ではなく、
さらにそれを包む袋(胎嚢)だ。
袋の周りが筋肉か筋のようになっていた。
思っていたより、
ずいぶん大きくなっていた。
胎嚢は2センチ位のが出てくるのかと思っていた。
「俵型の小さな心臓みたいだな」と思った。
腹痛は、お風呂場に居たときが絶頂期だったようで、
痛みはあるがそこまで気にならない。
そのまま胎嚢をじっとみていると、
またドゥルンとレバーのようなものが出てくる。
掬い上げて、
赤黒い血の塊だけで白いものがないことを確認後、流す。
赤い出血が大量に出ているので、
一旦お風呂に避難。
胎嚢は水がかからないようにお風呂の縁にそっと置いておき、
ひたすら血がだらだら出るのをシャワーで流す。
数分もしないうちに、また血の塊が出る。
子宮が収縮している感覚の痛みが、2,3分おきにくる。
これは多分、後陣痛だ。
【<流産当日>17:15 実母と息子の帰宅】
10分ほどして、
息子のお迎えをしに行ってくれていた実母と息子が帰宅。
身動きとれない状況を伝え、
とりあえず一人ではなくなったことにホッとする。
パニックにはならなかったが、
心臓はバクバクいっていたし、
「この後腹痛や出血が強まったらどうしよう」
という不安もあったので、安心した。
さらにそのまま10分ほどお風呂場で待機し、
塊が出てこなくなったので、ひとまずお風呂から出る。
腹痛は相変わらず定期的に来るが、
生理痛と同じくらいかやや弱い。
ソファに座り、息子の顔をみてまたホッとする。
そしてなんだか疲労感が強い。疲れた。。
でも、興奮状態でもある。
普通に会話もでき、私に抱っこをせがむ息子を、
座りながらだが抱っこすることもできた。
少し座って休んでから、
先ほど出た胎嚢をジップロックに入れようと取りに行く。
実母にも見てもらい、写真を撮る。
ジップロックに入れたらもう一緒に写真はとれないと思い、
「これが最初で最後の親子写真だな」とツーショットも撮った。
胎嚢の袋はあけていない(から胎児自体ではない)から厳密には違うけど、
それでも、「ちゃんとあなたと会えた」記念を残しておきたかった。
写真をとり終え、
ジップロックを更にタッパに入れ、
息子用に使っていたヒヨコ柄の可愛いガーゼでくるんで、
冷蔵庫にいれた。
【<流産当日>18:30 夫の帰宅】
息子の食事の世話や洗濯をすべて実母に任せ、私はソファに座って休憩。
その間に、ラインの連絡を見た夫が急いで帰宅してくれた。
とりあえず私が落ち着いているのをみて、少し安心した様子。
私も夫が帰ってきてくれてほっとした。
相変わらず2,3分間隔でチクチク感は来るが、
耐えられないほどではない。
自然流産待ちの間にネットで読んでいた自然流産の記事で、
「痛みが想像を遥かに越えていた」
「大量出血で痛みもすごくてパニックになり、結局救急車で運ばれた」
なんて記事を読んでいたから、
そんな事態も想定していたけれど、
私の場合は
痛みも生理痛の3倍程度。
出血も生理2日目の3倍程度。
パニックになる程ではなく、悶絶する程でもない。
多分、相当楽な方だったんだと思う。
●週数が早いから?
-いや、11週は、早期流産としては最終週だしな。
●一人出産しているから?
-それは大きい気がする。
●胎児がごく初期で育たなくなっていて小さかったから?
…うん、そうかもしれない。
でも、胎嚢は、私の想像の5倍くらい大きかったんだけどな。
【<流産当日>19:00 また塊が出る】
夫と入れ替わりで実母は帰り、
夫が息子をお風呂にいれてくれた。
湯あがりのお迎えにソファを立ち上がると、
また大量のドゥルンドゥルン。
片手のひら一杯くらいのたっぷりのレバーのような塊が出た。
血の塊だけだと確認して、トイレに流した。
だいぶ腹痛が楽になってきた。
同時に、頭痛と腰痛が出る。
【<流産当日>20:00 定期的な痛みは続く】
だんだん弱くなるものの、
5分間隔くらいで定期的な痛みは続く。
【<流産当日>21:00 出血はだいぶ減ってきた】
トイレに行っても出血はかなり減ってきた。
19:00を最後に、塊もでなくなる。
ずいぶんと疲労感を感じる。
幸い、明日はもともと朝イチで受診予定の日。
胎嚢を持っていって、先生に子宮の中の様子を診てもらおう。
異常がないと良いな。
疲れた。
【<流産当日>22:00 痛みがぶり返す。】
だいぶ収まってきたと思ったが、
またおなかの痛みがぶり返す。
なかなかすぐにはすっきりはしないものだな。
お風呂は見送り、布団に入る。
横になり、暗い部屋中で、
声を出さずに泣いた。
赤ちゃん。
元気に生んであげられなくてごめんね。
でも、自然に出てきてくれてありがとう。
あなたに会えて、良かった。
そんなことを考えているうちに、
ふと気づいた。
あれ?私、赤ちゃんちゃんと抱いてあげたっけ?
胎嚢が出てきたときは、
まだ腹痛やら出血やらでかなりバタバタしていて、
じっくり見たは見たけれど、
息子の出産のときのように撫でてあげたりはしていない。
でも、もう冷蔵庫で保管しているし、
あまりむやみに触って組織が壊れてもいけないような…
と1分ほどもやもや悩んだが、
「でも、あの子と一緒にいられるのは今しかない」
「明日の朝には、お別れになってしまう」
「このまま寝たら、一生『あのとき撫でてあげれば良かった』と後悔する」
と思った。
それに、
息子は私と夫に挟まれて一緒のお布団で寝ているのに、
あの子は一人で冷蔵庫の中。
そんなのはかわいそう。
おやすみも言っていない。
「せめて、なでなでして、お休みを言おう」
「家で一緒にいられるのはこれが最後なんだから」
と思い、冷蔵庫のタッパを引っ張り出した。
タッパをあけて、ジップロックからも出して、手のひらにのせる。
反対の手で、優しくなでた。
「赤ちゃん。ありがとう。」
「ママ、あなたが大好きだよ。」
「おやすみなさい。」
そう声をかけて、またジップロックとタッパにしまって、ガーゼでくるんだ。
タッパにキスをして、またおやすみと言って、冷蔵庫に戻した。
ただの自己満足だとわかっていても、
それでも、
私の心はずいぶん救われた。
この子も、私の家族だから。
ありがとう。おやすみなさい。
【<編集後記>私は自然流産ができて救われた】
流産後の体調などはまた別記事に簡単にまとようと思いますが、
(2/13記事投稿しました「【自然流産】<体験談>流産後1日~流産後15日の回復経過」)
結果的に私は9日後に出血が止まり、
10日後の受診で、
妊娠組織が全て出終わっていることが確認できたので、
「自然流産の完全流産」という診断をもらい、
今回の流産を終えました。
心配していた手術はせずにすみました。
私は流産だと分かったときから、
結局3週間仕事をお休み、もしくは
在宅ワークの形をとらせていただけました。
はじめは毎日なにもしなくても涙が止まらず、
心の整理もつかないまま、
夫とも気持ちがすれちがい
(私が一方的に情緒不安定になっていただけだと思いますが)
もうこの世の終わりくらいに思っていました。
でも、一週間くらいすると、
少しずつ普通の会話もできるようになり、
心の準備も多少はでき、
「流産です」と確定診断を受けた日の
ちょうど2週間後に、自然流産となりました。
初期流産のネット記事では
手術をされた方の体験記がとても多かったので、
私も手術になるかもしれないと思っていました。
実際、自然流産でも不全流産になれば結局手術が必要になるし、
仕事にもたくさん穴を開けてしまうし、
早めにスケジュールが見通せる手術の方が
自分にとっても周りにとってもいい、
そんな気持ちもありました。
でも、今振り返り、こうして文章にして改めて思うのは、
自然流産で良かった。
ということです。
周りに散々迷惑をかけ、
それでもなお私のからだや心を
心配して気遣ってくれる職場や上司。
いつも私の味方でいてくれる夫。
ちょっとした困りごとでも
すぐに頼らせてもらえる実母とその環境。
心から心配してくれつつも
適度な距離を保ってくれている義家族のみなさん。
多量の出血などはなく自宅待機ができる状態に加え、
私の心を汲んで自然流産を待ってくれる先生。
私は本当に恵まれた環境だったからこそ、
自然流産で待つことを選べました。
自然流産という選択ができたのは
みんなのおかげだと思いますが、
本当に、自然流産を選べて良かった。
だって、会えたから。
赤ちゃんに、会えたから。
生きて元気な赤ちゃんを生むことはできなかったけど、
それでも、
出産と同じような痛みと共に、
あなたに会えたから。
翌日に胎嚢を持っていったとき、
クリニック前のきれいなお花を
赤ちゃんに見せてあげられたから。
あまり良いお天気ではなかったけれど
お空も見せてあげられたから。
ジップロック&タッパに入れて
さらに可愛いガーゼでくるんでいたので、
もはや一緒に見たとは言えないかもしれないけど、
それでも。
それでも、私は、
あなたと少しの時間一緒にいられて
あなた(の入った袋)をこの目で見られて
あなたに(タッパの上からだけど)キスできて
あなた(の入った袋)を撫でてあげられて
幸せでした。
本当は、
元気な声で泣いて、笑って
たくさんおっぱいを飲んでほしかった。
一緒にお出掛けをたくさんして
たくさん愛してあげたかった。
生きていてほしかった。
何もしてあげられなくて、ごめんね。
この後記は流産2週間後に
近くのカフェで書いています。
流産したのはもう2週間も前で、
流産が分かってから1ヶ月経っていても、
文字を打ちながら涙が出てきます。
まだまだ、悲しい。寂しい。辛い。
その気持ちは消えない。
消さなくて良い。
私の中では、ずっと一緒だから。
悲しくても、辛くても、
それでも、前を向けるようになってきました。
それは、気持ちの整理がつかないまま
手術を受けることにならず、
自然流産を待つことができたから。
あなたに直接、会えたから。
だから、本当に、
自然流産が出来たことに、
感謝しています。
赤ちゃん。
ママのお腹に来てくれて、ありがとう。